2007年12月にマネースクエアがトラリピをリリースしてからリピート系注文(連続発注機能)は進化し続けています。
今回は各リピート系注文の仕様変更を踏まえて、5大リピート系注文を徹底比較してみたいと思います。
リピート系注文の最新状況
リピート系注文市場は2007年からトラリピの独占市場でしたが、2013年にループ・イフダンが参入して以来、毎年新たなリピート系注文が誕生しています。
2017年もオートレール(マネックス証券)とオートレンジトレーディング(東岳証券)の2種類が新たにリリースされています。これでリピート系注文は12社15サービスとなりました。
リリース | サービス名 | 会社名 |
2007年12月 | トラリピ | マネースクエア |
2013年10月 | ループ・イフダン | アイネット証券 |
2013年12月 | リピートトレール注文 | YJFX! |
2013年12月 | 連続IFDOCO注文 | ジャパンネット銀行 |
2014年3月 | トライオートFX | インヴァスト証券 |
2014年7月 | ループ・イフダン | ひまわり証券 |
2014年10月 | iサイクル注文 | 外為オンライン |
2014年10月 | サイクル注文 | 外為オンライン |
2014年10月 | トラッキングトレード | FXブロードネット |
2015年1月 | iサイクル注文 | ライブスター証券 |
2015年4月 | 連続予約注文 | マネーパートナーズ |
2015年10月 | iサイクル注文(くりっく365) | 外為オンライン |
2016年11月 | トレンドフォローイフダン | 東岳証券 |
2017年1月 | オートレール | マネックス証券 |
2017年5月 | オートレンジトレーディング | 東岳証券 |
注目すべきはいずれのサービスも提供され続けていることです。ミラートレーダーやMT4が次々にサービスを終了している中、リピート系注文は何一つサービス終了することなく、次から次へと新たなサービスが誕生しています。
マネースクエアVS外為オンラインの法廷バトル
リピート系注文業界で激震が走ったのがトラリピを擁するマネースクエアの持ち株会社・マネ―スクウェアHDによる“トラリピ裁判”。
2015年2月、マネ―スクウェアHDが外為オンラインのサイクル注文およびiサイクル注文がトラリピ特許を侵害している」として、東京地裁で訴訟を起こしました。
さらに2016年6月にはマネ―スクウェアHDが外為オンラインを別の特許侵害で訴えました。
ところが前者については2017年2月に、後者については同7月にマネースクウェアHDの請求を棄却するという判決が下されました。つまりiサイクル注文とサイクル注文はトラリピの持ついずれの特許も侵害していないという結果になりました。
マネースクウェアHDはいずれの判決も不服とし控訴手続きに入っています。さらにマネースクウェアHDは新たな訴訟を提起しています。
ユーザとしてはそれぞれのサービスが切磋琢磨し、サービスの向上や手数料削減を期待しますが、裁判の行方からは目が離せません。
5大リピート系注文を徹底比較
前述の通り、リピート系注文は15種類もありますが、人気があるのはトラリピ、ループ・イフダン、iサイクル注文、トライオートFX、そしてオートレールの5つ。
いずれも一度の発注で複数の取引が自動で繰り返されるリピート系注文機能ですが、その仕組みはそれぞれかなり異なっています。
下表は人気の5大リピート系注文の比較表です。
それでは各項目を詳しく見ていきましょう。
通貨ペア
取扱い通貨ペアが最も多いのはiサイクル注文で24通貨ペアでくりっく365にも対応しています。最も少ないのはループ・イフダンで5通貨ペア。通貨ペアの多さはリスクを分散し、戦略の幅を広げてくれます。
注文方法
ほとんどのリピート系注文の注文方法は基本的に指値・逆指値ですが、iサイクル注文は初回と決済後の最初の注文だけは成行となります。
またトレール注文のオートレールの決済注文は成行注文となります。ループ・イフダンも以前は新規・決済注文ともに成行注文でしたが、2016年9月以降、決済注文だけは指値・逆指値に変更されています。
値幅・利益幅
サービスの特徴が最も出るのがこの値幅と利益幅の設定方法。トラリピとトライオートFXは値幅・利益幅ともに自由に設定することができます。その分、初心者には設定がやや難しいと言えます。
ループ・イフダンの始めから固定されている値幅と利益幅を選択する選択式、iサイクル注文は過去の変動幅と投資資金を基に、注文数と値幅の間隔を自動算出してくれる自動算出式となりますのでトラリピと比べて初心者にも分かりやすくなっています。
オートレールは、値幅は自由に設定できます。利益幅はトレール注文なので実勢レートを追従します。
売買方向
いずれのリピート系注文も買いか売りかを選んで発注します。
ループ・イフダンは以前は同一通貨ペア・同一売買方向・同一値幅の複数の注文はできませんでしたが、2016年9月以降は可能になりました。
またiサイクル注文も同一通貨ペア・同一売買方向の複数の注文はできませんでしたが、2017年3月から可能となりました。さらにシステムがトレンドを判断し、売買方向を切り替えてくれる「トレンド」も実装しました。
オートレールは同一通貨ペア・同一売買方向・同一設置方向の複数の注文はできない上に、異なった注文も最大で10本までとなっています。
ポジション数
トラリピとトライオートFXは値幅・利益幅と共に設定範囲も自由に設定することができるのでポジション数は制限が可能です。ループ・イフダンもポジション数を設定できるので制限が可能です。
これに対し、iサイクル注文は過去の変動幅と投資資金からポジション数が自動計算されます。
オートレールは最大でも50本までとなっています。
損切り
リピート系注文で最も大事なのが自動損切りの仕様です。リピート系注文では損切りさせずに反転を待つのが鉄板ですが、勝手に損切りされてしまうものもあるので注意が必要です。
トラリピとトライオートFXは損切りさせるかどうかは発注時に設定することができますので損切りさせずにポジションを保持し続けることが可能です。
ループ・イフダンは損切りはありませんでしたが、2016年9月の仕様変更で最大ポジション数を超えると自動損切りされるようになってしまいました。
iサイクル注文は自動算出された値幅で自動的に損切りされ、リピートトレール注文は決済トレール幅で自動的に損切りされます。
オートレールはトレール幅で自動損切りされます。
手数料・スプレッド
長期運用が基本となるリピート系注文で成績に直結するのがこの手数料とスプレッド。ループ・イフダンだけが手数料無料を実現しています。それ以外のサービスでは手数料が徴収されますが、iサイクル注文は決済手数料無料キャンペーンを実施しています。
主要通貨のスプレッドは以下の通りです。トライオートFXのスプレッドが圧倒的に狭くなっています。
スワップ金利
スワップ金利は長期間ポジションを保持し続けるリピート系注文においては大きな収入源となります。
主要通貨のスワップ金利(1万通貨)は以下の通りです。トライオートFXのスワップ金利が圧倒的に高くなっている一方、トラリピはかなり安くなっています。
トレール機能
トレール機能があるのはトラリピとオートレールだけです。トラリピはトレール機能を設定によりつけることもつけないことも可能ですが、オートレールは標準実装されているのでつけないことはできません。
またトラリピのトレール幅は20pips固定ですが、オートレールは0.1pips以上であれば自由に設定できます。
相場追尾機能
トラリピとオートレールは相場追尾機能が実装されていないため、設定範囲を外れるとリピート注文機能は稼働しなくなりますが、ループ・イフダンとiサイクル注文は相場の変動に合わせて設定範囲が自動で上下にずれるためチャンスを逃しません。
トライオートFXは設定によって相場追尾することができます。
スマホ対応
全てスマホアプリに対応しています。ループ・イフダンも2016年9月に対応しています。
独自コンテンツ
トラリピの独自コンテンツの充実度は群を抜いています。シミュレーション機能やロスカットラインを試算できる「トラリピ運用試算表」など高機能ツールが準備されており、アカデミアモデルやプロモデルなどの戦略も豊富です。
トライオートFXも情報サイト「INVAST NAVI」で豊富な攻略情報が提供されています。
iサイクル注文やループ・イフダン、オートレールも損益ランキングを定期的に発表していますが、まだまだ発展途上と言えます。
まとめ
で、結局どれがオススメなの?と聞かれればトライオートFXかトラリピと答えます。
リピート系注文で最も大事なのが損切りさせないことです。これが可能なのがトライオートFXとトラリピです。
まずトライオートFXは元々は設定型シストレとして売り出されていますので柔軟な設定が可能です。手数料はかかりますが、スプレッドが狭く、スワップ金利が高いのでリピート系注文向きと言えます。
ただし、トライオートFXは設定型シストレなので設定が複雑すぎるのが難点です。もっとシンプルなリピート系注文を求める方にはトラリピをお勧めします。


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