新NISAがスタートしてから「毎月いくら積み立てるか」「どの投資信託を選ぶか」という話題はネットにあふれるようになりました。しかし、資産形成をしている皆さんが本当に頭を悩ませることになるのは、実は「積み立てるとき」ではなく「取り崩すとき」なのです。
私自身、トラリピやスワップ積立、ソーシャルレンディングなど複数の「ほったらかし投資」を8年以上続けてきましたが、資産を「増やす力」と「使う力」はまったくの別物だと痛感しています。せっかく育てた資産も、取り崩し方を間違えると資産寿命が一気に縮んでしまいます。今回は楽天証券とSBI証券のNISA取り崩しサービスを比較しながら、取り崩しが難しい理由と、その負担を軽くするために私が実践しているキャッシュフロー戦略(FXスワップ投資・不動産クラウドファンディング/ソーシャルレンディング)を紹介します。
- NISAの「取り崩し」がなぜ積み立て以上に難しいのか
- 楽天証券「定期売却サービス」の仕組みと設定方法
- SBI証券「投資信託定期売却サービス」の仕組みと2025年12月の機能拡充
- 楽天証券とSBI証券、NISA取り崩しはどちらが使いやすいか
- 値下がり時に資産を売らずに済む、FXスワップ投資というキャッシュフローの作り方
- 不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディングで分配金収入を得る方法
NISAは「出口」までがワンセット。なぜ取り崩しはこんなに難しいのか

新NISAは非課税保有期間が無期限化され、いつでも自由に売却できるようになりました。ところが、この「自由度の高さ」こそが取り崩しを難しくしている最大の理由だと私は考えています。積み立て投資は「毎月同じ日に同じ額を買う」というシンプルなルールで淡々と続けられますが、取り崩しには「いつ」「いくら」「どの銘柄から」売るかという判断が絶えず求められるからです。
心理的ハードル:狼狽売りと機会損失への恐怖
市場が暴落した局面で資産を取り崩そうとすると、「これ以上目減りする前に売ってしまいたい」という恐怖心から必要以上に売却してしまう、いわゆる狼狽売りに陥りがちです。逆に相場が好調なときは「まだ上がるかもしれない」と売り時を逃してしまう。つまり取り崩しには、積み立て以上に感情のコントロールが必要になるのです。あらかじめ売却ルールを自動化しておくことが、この心理的な揺れを防ぐ一番の近道です。
技術的ハードル:定額・定率・期間指定、どれを選ぶべきか
楽天証券やSBI証券が提供する「定期売却サービス」を使えば、あらかじめ決めたルールに沿って投資信託を自動的に売却し、運用を続けながら少しずつ現金化することができます。ただし、この設定方法には「定額指定」「定率指定」「期間指定」という3つの方式があり、それぞれ資産の減り方や特性が大きく異なります。この違いを理解しないまま設定してしまうと、想定より早く資産が尽きてしまうこともあるため注意が必要です。
| 売却方式 | 仕組み | 注意点 |
|---|---|---|
| 定額指定 | 毎月決まった金額(例:5万円)を売却 | 基準価額が下がった局面ほど売却口数が増え、資産の目減りが早まりやすい |
| 定率指定 | 保有口数に対して決めた割合(例:年4%)を売却 | 基準価額に応じて受取額が変動するため、資産が長持ちしやすい一方、収入が安定しにくい |
| 期間指定 | 最終受取年月を決め、そこまでの期間で口数を均等に売却 | 「〇年後に使い切る」計画が立てやすいが、相場変動までは考慮されない |
一般的には、資産寿命をできるだけ延ばしたいなら「定率指定」、毎月の生活費として一定額を確保したいなら「定額指定」、教育資金や住宅資金のように使う時期が決まっているなら「期間指定」が向いていると言われています。私自身は、まだ現役世代なので取り崩しよりも積み立てとキャッシュフロー構築を優先していますが、いずれこの3方式を組み合わせて出口戦略を立てるつもりです。
楽天証券の「定期売却サービス」を徹底解説

楽天証券は2016年から投資信託の「定期売却サービス」を提供しており、業界に先駆けて「定率指定」に対応したことでも知られています。対象口座はNISA口座(新NISA・旧NISA含む)、一般口座、特定口座、法人口座と幅広く、対象銘柄も投信積立の主要ファンドをほぼ網羅しています(楽ラップや外貨建てMMFなどは対象外)。
| 設定方法 | 設定単位 |
|---|---|
| 金額指定 | 1,000円以上、1円単位(概算売却可能金額の範囲内) |
| 定率指定 | 0.01%以上50%以下、0.01%単位 |
| 期間指定 | 最終受取年月を指定(最大受取期間は50年未満) |
楽天証券の強みは、なんといっても定率指定を0.01%という非常に細かい単位で調整できることです。「年4%ルール」のようなセオリーに沿った取り崩しを、かなり精密に再現できます。私はつみたてNISAを楽天証券で運用しているのですが、楽天経済圏でポイントもまとめて活用できる点も含め、長期の資産形成と出口戦略の両方を同じ証券会社で完結させやすいのは大きなメリットだと感じています。
SBI証券の「投資信託定期売却サービス」を徹底解説

一方のSBI証券は、2012年から「定額指定方式」による定期売却サービスを提供してきましたが、長らくNISA口座には対応しておらず、取り崩しに使える方式も定額指定のみでした。この状況が大きく変わったのが2025年12月6日です。SBI証券は同日、定期売却サービスに「定率指定方式」と「期間指定方式」を追加し、NISA口座(旧NISA含む)での定期売却設定にも対応しました。口座数で楽天証券と並ぶ最大手の一角がようやく本格的な出口戦略ツールを整えたことになり、これは新NISA世代にとって非常に大きなニュースだったと私は見ています。
| 設定方法 | 設定単位 |
|---|---|
| 定額指定方式 | 1,000円以上、1円単位 |
| 定率指定方式 | 0.1%以上50%以下、0.1%単位(売却上限金額の設定も可能) |
| 期間指定方式 | 最終受取年月を指定(最大50年、月1回×最大600回の売却) |
対象商品は投資信託(ETFやSBIラップ、外貨建てMMFなどは対象外)で、売却コースは毎月・奇数月・偶数月から選択できます。SBI証券の定率指定には「売却上限金額設定機能」が付いているのが特徴で、相場が急騰した局面で想定以上に売れすぎてしまうのを防ぐストッパーとして機能します。「資産寿命を延ばしたいけれど、売りすぎだけは避けたい」という慎重派の方には嬉しい機能だと言えるでしょう。
楽天証券とSBI証券、NISAの取り崩しはどちらが使いやすい?

両社ともNISA口座での定額・定率・期間指定の3方式に対応した今、機能面での差は縮まりましたが、細部にはまだ違いがあります。
| 比較項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| サービス開始 | 2016年〜(業界初の定率指定対応) | 2012年(定額指定)〜/2025年12月に定率・期間指定とNISA対応を追加 |
| 定率指定の刻み | 0.01%単位 | 0.1%単位 |
| NISA口座対応 | 新NISA・旧NISAともに対応 | 新NISA・旧NISAともに対応(2025年12月〜) |
| ユニークな機能 | 細かい定率設定で柔軟な出口戦略が可能 | 定率指定に売却上限金額を設定できる |
より細かく取り崩しペースを調整したい方は楽天証券、売りすぎを防ぐ安全弁が欲しい方はSBI証券の上限金額設定が魅力的です。とはいえ、機能はあくまで「道具」にすぎません。どちらの証券会社を選んでも、事前に取り崩しルールを決めて自動化しておくことが何より重要だという点は変わりません。
それでも「資産を売る」のは怖い。為替コヤジ流・売らずにキャッシュフローを作る発想

ここまで楽天証券・SBI証券の定期売却サービスを紹介してきましたが、正直に言うと、私は「育てた資産そのものを取り崩す」ことに、今でも心理的な抵抗があります。せっかく複利で増えている雪だるまを、わざわざ自分の手で崩す作業だからです。そこで私が意識しているのが、NISAの含み益を取り崩す前に、別の投資でキャッシュフロー(現金収入)を作っておくという考え方です。資産を売却せずに済むお金の流れをあらかじめ持っておけば、NISA口座は非課税の恩恵を受けながらより長い期間じっくり育てることができます。
FXスワップ投資で「使う前の資産」を減らさずにキャッシュフローを作る
私が実践している方法のひとつがFXのスワップポイント狙いの積立投資です。低金利の円を売って、政策金利の高い通貨(私はメキシコペソ/円を中心に運用しています)を買ってポジションを保有し続けることで、毎日スワップポイントという金利差収入を受け取ることができます。値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資ではなく、あくまでポジションを保有しているだけで得られるインカムゲインを積み上げていくイメージです。
もちろんFXである以上、為替変動によって元本が値下がりするリスクはありますし、スワップポイントは各社の設定や市場環境によって変動・縮小する可能性もあります。だからこそ、値下がりリスクが比較的小さい通貨を選び、余裕資金の範囲でコツコツ積み立てることが鉄則です。私が実際に取り組んでいるスワップ積立の詳しい設定内容はこちらで公開していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディングで分配金収入を得る
もうひとつのキャッシュフォロー源として私が力を入れているのが、不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングです。ソーシャルレンディングは、インターネット上で集めた資金を企業に貸し付け、その利息を分配金として受け取る仕組みで、不動産クラウドファンディングは特定の不動産プロジェクトに出資し、賃料収入や売却益から分配を受ける仕組みです。いずれも株式や投資信託のように日々値動きする商品ではないため、NISAで積み立てた資産の含み損益に一喜一憂せずに済む、精神的に安定したキャッシュフローを作れるのが最大の魅力です。
一方で、貸し倒れや事業者の運営リスク、途中解約ができない(資金がロックされる)といったデメリットもあります。人気の案件はすぐに募集が締め切られてしまうため、複数の事業者に口座を分けておき、チャンスを広げておくのがコツです。私が実践しているソーシャルレンディングの運用方針や、その他のほったらかし投資9選はこちらにまとめていますので、あわせてチェックしてみてください。
為替コヤジ流・NISA出口戦略のまとめ方

最後に、私が考える出口戦略の全体像を整理します。
- NISAは「積み立て期」と「取り崩し期」で必要な考え方がまったく違うと理解する
- 取り崩し方式(定額・定率・期間指定)は、自分の目的(生活費補完なのか、資産寿命を延ばしたいのか)に合わせて選ぶ
- 楽天証券は細かい定率設定、SBI証券は売却上限金額設定という強みを踏まえて証券会社を選ぶ
- FXスワップ投資や不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディングで、資産を売らずに使える現金収入をあらかじめ確保しておく
- 取り崩しルールは感情で変えず、いったん決めたら自動化して淡々と続ける
NISAは「増やす制度」であると同時に、いずれ必ず「使う制度」でもあります。楽天証券とSBI証券、どちらも取り崩しの選択肢が充実してきた今だからこそ、積み立てと並行して出口戦略を考え始めるタイミングだと私は思います。そして、資産そのものを取り崩す前に、FXスワップ投資や不動産クラウドファンディング・ソーシャルレンディングで補完的なキャッシュフローを作っておくことで、NISA口座はより長く、より安心して育てていくことができるはずです。私のほったらかし投資の実践例は為替コヤジのFX自動売買トップページで随時公開していますので、ぜひあなたの資産運用の参考にしてください。
💼 12年やって辿り着いた「ほったらかし投資ポートフォリオ」を公開!長期・積立・分散で資産が増える
ほったらかし投資でリスク分散

為替コヤジは投資額5,000万円で下記のようなほったらかし投資を実践しています。
| アセットクラス | 投資先 |
| 先進国株式 | 投資信託(オルカン / S&P500 / FANG+ / レバナス) |
| 金(ゴールド) | 投資信託(SBI・iシェアーズ・ゴールド) |
| FX(自動売買) | トラリピ / 松井証券FX |
| FX(スワップ) | セントラル短資FX / みんなのFXなど |
| 仮想通貨(BTC / ETH / XRP) | BitLending / PBRレンディング |
| 不動産クラファン / ソシャレン | みらファン / TOMOTAQU / TORCHESなど |
| ロボアドバイザー | ROBOPRO |
ほったらかし投資は、投資経験がゼロでも問題ありません。
再現性があるので為替コヤジの設定をそっくりそのまま真似れば、同じように不労所得を得ることができます。
投資に関する注意喚起

投資は運用結果によっては資産が増える、不労所得を得られるなどのメリットがありますが、一方で元本割れなどのリスクが伴います。
特にFXや仮想通貨などは価格が急激に変動することがあり、高い収益を期待できる反面、リスクの高い資産でもあります。
投資に関する注意喚起について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
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