毎朝の通勤ラッシュ、口うるさい上司にわがままなクライアント。そんな毎日におさらばしてFXの専業トレーダーになりたいと思っている人もいるのではないでしょうか?
人はFX自動売買だけで生活できるのでしょうか?
FX自動売買だけで生活するためにはいくら稼げばいいのか、またその金額を稼ぎ出すために運用資金がいくらあればいいのか計算してみましょう。
1人で1ヶ月生活するのに必要な金額
まず生活するためにいくら必要なのかを定義する必要がありますが、総務省統計局の家計調査によれば単身世帯の1ヶ月の支出は大体16~17万円となっています。
ちょっと少ない気もしますが、生活するために必要な金額を年間204万円(17万円×12ヶ月)と定義します。
FX専業トレーダーの税金と社会保険料
サラリーマンの場合、税金や社会保険料は給与から天引きされているのであまり意識していない方多いと思いますが、専業トレーダーになると以下のような税金や社会保険料がかかります。
- 所得税
- 住民税
- 国民健康保険
- 介護保険(40歳~64歳)
- 国民年金
まず、FX自動売買であげた利益は申告分離課税となり、所得税と住民税で一律20%(復興特別所得税0.315%はここでは割愛します)の税金がかかります。
次に健康保険ですが、サラリーマンの場合は健康保険ですが、FX専業トレーダーの場合は国民健康保険となります。
FXで利益をあげても健康保険料は変わりませんが、国民健康保険の場合はFXの利益が増えればその分、国民健康保険料が上乗せされます。
国民健康保険料は自分の住んでいる自治体や年収によって異なります。介護保険と合わせておおよそ年収の7~15%で上限は約70万円となっているようですが、便宜上10%とします。
国民年金は便宜上一律20万円とします。
FX自動売買でいくら稼げば月17万円残るか?
前述の通り、FXで稼いだ利益には税金や社会保険料がかかりますのでFXの利益からこれらを差し引き、204万円残す必要があります。
ここで税金や社会保険料をもう一度整理ましょう。
- 所得税・住民税 ・・・ FXの利益の20%
- 国民健康保険・介護保険 ・・・ FXの利益の10%(上限70万円)
- 国民年金 ・・・ 一律20万円
この計算式に当てはめるとFX自動売買で320万円稼ぐ必要があります。
- 所得税・住民税 ・・・ 64万円(320万円×20%)
- 国民健康保険・介護保険 ・・・ 32万円(320万円×10%)
- 国民年金 ・・・ 一律20万円
これらを合算すると116万円となり、手元にはちょうど204万円残ります。
年間320万円稼ぐためには資金はいくら必要か?
FX自動売買の利益だけで生活するためにはこの先、死ぬまで安定して利益をあげ続ける必要があります。経験上、FX自動売買で年利20%は可能だと思いますが、これはあくまでサラリーマンとの兼業トレーダーの感覚です。サラリーマンとしての給与がないとするとリスクは最小限に抑える必要がありますので年利15%とします。
年利15%で320万円の利益をあげるためには約2,133万円の運用資金が必要ということになります。
320万円 ÷ 15% = 2,133万円
まとめ:可能だがやらない
2,133万円の運用資金があり、年率15%の利益をあげ続ければ、FX自動売買だけで生活することは可能です。
ただし、2千万円も貯めることができる高給取りならわざわざ税制に有利なサラリーマンを辞めてFX自動売買をする必要ありませんし、そもそもFX自動売買はサラリーマンをしながらでも十分実践できます。
そうであればFX自動売買だけで生活することは可能ですが、している人はいないのではないでしょうか?
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