「新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠があるけれど、何をどちらで買えばいいの?」「成長投資枠って、個別株を買うための枠じゃないの?」と迷っていませんか?
新NISAは、2つの枠を合わせて年間360万円まで投資でき、利益に税金がかかりません。ただし、枠ごとに買える商品や上限が違うので、使い分けを間違えると、せっかくの非課税枠をうまく使えなくなります。
私・為替コヤジは、約5,000万円をほったらかしで運用しています。会社員時代は新NISAの年間360万円の枠を毎年使い切り、2026年10月にサイドFIREした今は、成長投資枠の使い方を変えています。さらに、妻のNISA口座も使って、夫婦で枠を割り振っています。
この記事では、2つの枠の違いと、それぞれに何を入れるべきかを解説したうえで、私の実際の割り振りを公開します。
- つみたて投資枠と成長投資枠の違い(年間投資枠・非課税保有限度額・対象商品)
- つみたて投資枠に入れるもの、成長投資枠に入れるもの
- 成長投資枠は「年初一括」と「積立」のどちらがいいか
- 為替コヤジの実際の枠の割り振りと、FIRE前後での買い方の変化
- 夫婦でNISAの枠を使い分ける方法
- 売却したときの枠の復活ルールと、使い分けの注意点
結論:つみたて投資枠はコア、成長投資枠は「上乗せ」と「つみたて枠で買えないもの」に使う

先に結論をお伝えします。2つの枠の使い分けは、次のように考えるとシンプルです。
- つみたて投資枠:オルカンやS&P500などのインデックスファンドを積み立てる「コア」
- 成長投資枠:コアと同じインデックスファンドの上乗せと、ゴールドやナスダック100など、つみたて投資枠では買えない商品
成長投資枠だからといって、個別株やテーマ型の投資信託を買う必要はありません。成長投資枠でも、つみたて投資枠と同じインデックスファンドを買えます。私も成長投資枠のほとんどを、オルカンとS&P500に使っています。
つみたて投資枠と成長投資枠の違い

まずは、2つの枠の違いを整理しておきましょう。いちばん大きな違いは、年間に投資できる金額と、買える商品の範囲です。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) | |
| 非課税で持てる期間 | 無期限 | |
| 買い方 | 積立のみ | 一括でも積立でも買える |
| 対象商品 | 金融庁が定めた基準を満たす投資信託・ETF(インデックスファンドが中心) | 上場株式、ETF、投資信託など(一部の商品を除く) |
| 対象年齢 | 18歳以上 | |
2つの枠は同じ年に併用でき、合わせて年間360万円まで投資できます。
非課税保有限度額は「1,800万円」、成長投資枠は1,200万円まで
新NISAで非課税で持てる金額の上限は、2つの枠を合わせて1,800万円です。このうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までです。つみたて投資枠だけで1,800万円を使い切ることはできますが、成長投資枠だけで使い切ることはできません。
成長投資枠で買えない商品もある
成長投資枠は、つみたて投資枠より幅広い商品を買えますが、次の商品は対象外です。
- 上場廃止が決まった、または決まるおそれがある株式(整理銘柄・監理銘柄)
- 信託期間が20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- 高レバレッジ型の投資信託
たとえば、ナスダック100の2倍の値動きを目指すレバナスのような高レバレッジ型の投資信託は、成長投資枠でも買えません。私がレバナスを特定口座で持っているのは、このためでもあります。
つみたて投資枠に入れるもの

つみたて投資枠で買えるのは、長期・積立・分散投資に向くとして、金融庁が定めた基準を満たす投資信託やETFです。つみたて投資枠は、何十年も持ち続けるコアの資産に使うのが基本です。
オルカンやS&P500などのインデックスファンド
つみたて投資枠のおすすめは、オルカン(全世界株式)やS&P500などの低コストなインデックスファンドです。どちらもつみたて投資枠の対象なので、毎月の積立にそのまま使えます。
オルカンとS&P500のどちらを選べばいいか迷う方は、次の記事で違いと私の選び方を解説しています。

つみたて投資枠から優先して埋める
投資に回せる金額が年360万円より少ない場合は、まずつみたて投資枠の年120万円(毎月10万円)を埋めてから、残りを成長投資枠に回すのがおすすめです。
つみたて投資枠で買える商品は、コストが低く長期投資に向くものに絞られているので、商品選びで大きく失敗しにくいからです。楽天証券なら、つみたて投資枠の毎月10万円をすべて楽天カードのクレカ積立にして、ポイントを貯めることもできます。
成長投資枠に入れるもの

成長投資枠の使い道は、大きく分けて2つあります。私の使い方も、この2つです。
使い道1:コアのインデックスファンドを上乗せする
成長投資枠でも、オルカンやS&P500などのインデックスファンドを買えます。つみたて投資枠の年120万円だけでは足りない方は、成長投資枠でもコアのインデックスファンドを買い増すのが、いちばん堅実な使い方です。
私は、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で、オルカンとS&P500を買っています。商品を増やさずに済むので、管理もシンプルです。
使い道2:つみたて投資枠で買えない商品を買う
成長投資枠では、つみたて投資枠の対象になっていない商品も買えます。コアに組み合わせる商品として、代表的なものは次のとおりです。
| 商品 | 役割 | つみたて投資枠 |
|---|---|---|
| ゴールド(金)の投資信託 | 株式とは違う値動きで資産全体を守る | 対象外 |
| ナスダック100のインデックスファンド | ハイテク企業に集中してリターンを狙う | 原則対象外(ごく一部のファンドのみ対象) |
| 個別株・高配当株 | 配当や株主優待を受け取る | 対象外 |
| ETF(上場投資信託) | 株式のように市場で売買できる | 一部のみ対象 |
私は、ゴールドの投資信託を成長投資枠で積み立てています。ゴールドを持つ理由や、おすすめの投資信託は次の記事で解説しています。

値動きの大きい商品は入れすぎない
成長投資枠で値動きの大きい商品を買うときは、注意が必要です。NISA口座で出た損失は、他の口座の利益と損益通算できず、損失の繰越控除もできません。値下がりしたまま売ると、損失だけが残り、税金面でのメリットも受けられません。
個別株やテーマ型の投資信託など、値動きの大きい商品は、成長投資枠の一部にとどめておくのが無難です。
成長投資枠は「年初一括」と「積立」のどちらがいい?

成長投資枠は、一括でも積立でも買えます。年240万円を年初にまとめて買うか、毎月20万円ずつ積み立てるかで迷う方も多いと思います。
過去10年では「年初一括」が平均で上回った
SBI証券が、成長投資枠の240万円を「年初一括」と「毎月積立」で投資した場合を、2016年から2025年までの10年間で比較しています。結果は、年初一括が上回った年が、オール・カントリーとS&P500で10年中6年、Nasdaq-100で8年、純金で9年でした。5つの対象すべてで、年初一括の年平均リターンが毎月積立を上回りました。
株価は長い目で見ると上がってきたので、早く投資して長く市場にいるほうが有利になりやすい、ということです。
ただし、途中で下落すると積立が有利になる
同じ比較では、年の途中で大きく下落した年や、1年を通して下げた年は、毎月積立のほうがよい結果になることもありました。年初一括は、まとめて買った直後に暴落すると、精神的な負担も大きくなります。
記事では、120万円を年初に一括投資し、残りの120万円を毎月10万円ずつ積み立てる「組み合わせ」の方法も紹介されています。
結論:収入の状況に合わせて、続けられる方法を選ぶ
どちらがいいかは、性格や資金の状況によって変わります。
- 年初一括が向いている人:まとまった資金があり、買った直後に下がっても気にせず持ち続けられる人
- 積立が向いている人:毎月の収入から投資する人、値下がりが不安な人
私は「現役時代は年初一括、FIRE前からは余力で購入」
私は会社員として毎月の収入があった現役時代は、成長投資枠の年240万円を、毎年年初にオルカンとS&P500へ一括で投資していました。給料という安定した収入があったので、買った直後に株価が下がっても、生活に影響が出る心配がなかったからです。
サイドFIREの1年ほど前からは、年初一括をやめ、生活費や手元資金を確保したうえで余力が出た分だけ成長投資枠で買う方法に切り替えました。FIRE後は給料がなくなるので、まとまった資金を一度に投資するより、生活資金を手元に残しておくことを優先したためです。一方、つみたて投資枠の毎月10万円の積立は、FIRE後も止めずに続けています。
このように、同じ人でも、収入の状況によって最適な買い方は変わります。
大切なのは、下落しても売らずに続けられる方法を選ぶことです。年初一括で平均リターンが高くても、暴落で怖くなって売ってしまえば、長期投資の効果は得られません。
為替コヤジの実際の枠の割り振り

ここからは、私の新NISAの実際の割り振りを紹介します。私と妻の2つのNISA口座を使っていて、私の口座は株式のインデックスファンドだけ、ゴールドは妻の口座で積み立てるという分け方をしています。
私のNISA口座(楽天証券):つみたて投資枠は満額、成長投資枠は余力で
私の口座では、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を、オルカンとS&P500に同じ金額ずつ割り振っています。
| ファンド | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 楽天・プラス・オールカントリー | 毎月5万円(年60万円) | 現役時代は年120万円を年初一括 |
| 楽天・プラス・S&P500 | 毎月5万円(年60万円) | 現役時代は年120万円を年初一括 |
| 合計 | 年120万円 | 現役時代は年240万円。FIREの1年ほど前からは余力で購入 |
現役時代は、2つの枠を合わせて毎年360万円の枠をすべて使い切っていました。今は、つみたて投資枠は満額の年120万円を続け、成長投資枠は余力に応じて買っています。
妻のNISA口座(SBI証券):株式とゴールド
妻の口座では、全世界株式とS&P500に加えて、成長投資枠でゴールドの投資信託を積み立てています。
| ファンド | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 毎月1万円 | 年50万円 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 毎月1万円 | 年50万円 |
| SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし) | - | 毎日1,000円 |
ゴールドの投資信託はつみたて投資枠では買えないので、成長投資枠で毎日積み立てています。
非課税枠の消化状況
2人のNISA口座の非課税枠の使い方は、次のとおりです。
| 口座 | 利用済み | 残り |
|---|---|---|
| 私 | 9,800,000円 | 8,200,000円 |
| 妻 | 2,556,200円 | 15,443,800円 |
※記事更新時点(2026年9月末)の数値です。最新の実績はNISAの運用実績で更新しています。
私の口座の残りは820万円です。つみたて投資枠の年120万円だけでも、7年ほどで1,800万円の枠を使い切る計算で、成長投資枠を余力で買い足せば、さらに早く埋まります。枠を使い切ったあとは、妻の口座の残りの枠を使って、夫婦で非課税の投資を続ける予定です。
NISAの外で持っているもの
私は新NISA以外にも、次の口座で投資信託を持っています。
- iDeCo:楽天・オールカントリーと楽天・S&P500を毎月11,500円ずつ
- 特定口座:レバナス(高レバレッジ型でNISAの対象外)、FANG+(毎月5万円)
新NISAの枠はコアのインデックスファンドに使うと決めているので、値動きの大きいサテライトの投資は特定口座に分けています。レバナスは、三菱UFJ eスマート証券でFXの証拠金としても活用しています。

夫婦でNISAの枠を使い分けるメリット

NISAは1人1口座ですが、夫婦それぞれが口座を持てば、非課税で投資できる金額は2倍の3,600万円になります。夫婦で役割を分けると、2人分の枠を無駄なく使えます。
商品を分けると管理しやすい
私の家では、私の口座はオルカンとS&P500だけ、ゴールドは妻の口座と、口座ごとに入れる商品を分けています。どの商品をどちらの口座で持っているかが明確になり、資産全体の配分も把握しやすくなります。
証券会社が違っても問題ない
私は楽天証券、妻はSBI証券と、夫婦で別々の証券会社を使っています。NISAの枠は人ごとに決まるので、証券会社が違っても、それぞれの口座で非課税の枠を使えます。
使い切ったあとも、もう1人の枠で続けられる
1人の枠を早めに使い切っても、もう1人の枠が残っていれば、非課税の投資を続けられます。収入や投資に回せる金額に合わせて、夫婦で枠の使い方を調整できるのもメリットです。
売却したときの枠の復活ルール

新NISAでは、保有している商品を売却すると、その分の枠が復活します。ただし、ルールを知らないと、思ったように枠を使えないことがあります。
復活するのは「売却した翌年」
売却して枠が復活するのは、売却した年ではなく、翌年以降です。年の途中で売却しても、その年のうちに同じ枠で買い直すことはできません。
復活するのは「買ったときの金額(簿価)」分
復活する枠の金額は、売却したときの時価ではなく、買ったときの金額(簿価)です。たとえば、100万円で買った投資信託が200万円に値上がりしてから売却しても、復活する枠は100万円分です。
また、枠が復活しても、年間投資枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)の上限は変わりません。一度にたくさん売却しても、次の年に買い直せるのは年360万円までです。
将来の取り崩しを考えるときは、この復活ルールも踏まえて計画を立てましょう。NISAの取り崩しの考え方は、NISAの取り崩し・出口戦略の記事で解説しています。
新NISAの枠を使い分けるときの注意点

最後に、2つの枠を使い分けるときに気をつけたいことをまとめます。
枠を埋めることを目的にしない
年360万円の枠を使い切れなくても、問題はありません。生活費や急な出費に備えるお金まで投資に回すと、暴落時に売らざるを得なくなります。まずは生活防衛資金を確保し、余裕資金の範囲で投資しましょう。年間投資枠の使い残しは翌年に繰り越せませんが、NISA口座を開設できる期間に期限はないので、生涯の上限1,800万円までは何年かけて埋めても構いません。
注文時に「NISA」の区分を選ぶ
成長投資枠で買うつもりが、特定口座で注文してしまうミスはよくあります。注文画面で、口座区分が「NISA成長投資枠」または「NISAつみたて投資枠」になっているかを必ず確認してください。
制度の見直しにも注意する
NISAは、令和8年度税制改正で見直しが行われています。つみたて投資枠の対象に読売株価指数やJPXプライム150指数、債券中心の投資信託が加わるほか、2027年からは0〜17歳向けのつみたて投資枠(年60万円、非課税保有限度額600万円)が導入される予定です。お子さんがいる家庭は、家族全体で枠の使い方を考えるとよいでしょう。最新の内容は、金融庁や証券会社の情報で確認してください。
まとめ:2つの枠は「コア」と「上乗せ・補完」で使い分ける

新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠は、役割を決めて使い分ければ迷いません。最後に、この記事のポイントをまとめます。
- つみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円。合わせて生涯1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)
- つみたて投資枠は、オルカンやS&P500などのコアのインデックスファンドに使い、優先して埋める
- 成長投資枠は、コアの上乗せと、ゴールドやナスダック100など、つみたて投資枠で買えない商品に使う
- 成長投資枠の年初一括は過去10年で平均的に有利だったが、収入の状況に合わせて続けられる方法を選ぶことが大切
- 私は現役時代は成長投資枠を年初一括で使い切り、FIREの1年ほど前からは余力で購入。ゴールドは妻の口座の成長投資枠で積み立てている
- 売却した枠は翌年以降に、買ったときの金額分だけ復活する
新NISAは、早く始めて長く持つほど非課税の恩恵が大きくなります。私がメインで使っている楽天証券なら、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で、オルカンやS&P500を積み立てられます。楽天カードのクレカ積立なら、つみたて投資枠の毎月10万円で楽天ポイントも貯まります。
楽天証券で新NISAを始める手順は、次の記事で口座開設から積立設定まで解説しています。

新NISAで何に、いくら投資すればいいか迷う方は、こちらの記事も参考にしてください。

そのほかのNISA・投資信託の記事は、NISA・投資信託・ゴールドのカテゴリーにまとめています。

