「新NISAはオルカン1本で大丈夫」とよく言われます。私もその考え方には賛成です。ただ、投資を15年続けてきて、何度も暴落を経験した今は、株式だけのポートフォリオには「下がるときは全部一緒に下がる」という弱点があると感じています。
私・為替コヤジは、約5,000万円をほったらかしで運用しています。新NISAでは全世界株式などのインデックスファンドを「コア(中心)」に置き、そこにゴールド(金)を「守り」として組み合わせています。さらに、リターンを狙う「サテライト」は特定口座で別に持つ、というコア・サテライト戦略です。
この記事では、私が実際に組んでいる配分を公開したうえで、全世界株式とゴールドを組み合わせる理由、ゴールドの適正な比率、新NISAの枠の割り振り方を解説します。
- 為替コヤジの投資信託のコア・サテライト配分(実際の比率)
- コア・サテライト戦略の考え方と、新NISAとの相性
- コアの中心に全世界株式を置く理由
- 全世界株式にゴールドを組み合わせると何が変わるか
- ゴールドは何%組み合わせればいいか
- つみたて投資枠と成長投資枠の割り振り方と、リバランスのやり方
結論:私のコア・サテライト配分

先に結論として、私が投資信託で組んでいる配分を紹介します。新NISAとiDeCoでは全世界株式などのインデックスファンドをコアにし、ゴールドで守りを固め、リターンを狙う投資は特定口座のサテライトに分けています。
投資信託全体の配分
投資信託全体を、コア・守り・サテライトの3つに分けると、次のようになります。
| 役割 | 中身 | 口座 | 評価額 | 比率 |
|---|---|---|---|---|
| コア(全世界株式) | 楽天・オールカントリー、eMAXIS Slim 全世界株式など | 新NISA・旧NISA・iDeCo | 約783万円 | 28.8% |
| コア(米国株式) | 楽天・S&P500、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、楽天VTIなど | 新NISA・旧NISA・iDeCo | 約1,175万円 | 43.2% |
| 守り(ゴールド) | SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド | 新NISA | 約31万円 | 1.2% |
| サテライト | レバナス、FANG+ | 特定口座 | 約730万円 | 26.8% |
| 合計 | - | - | 約2,720万円 | 100% |
※記事更新時点(2026年9月末)の評価額です。最新の実績はNISAの運用実績で更新しています。
正直にお伝えすると、私のコアは全世界株式よりも米国株式のほうが多くなっています。つみたてNISAを始めたときに楽天VTI(全米株式)を選び、その後も全世界株式とS&P500を両方積み立ててきたためです。
そして、ゴールドはまだ1.2%で、資産全体の10%を目標に毎日積み増している途中です。2025年5月に積立を始めたばかりなので、ここから比率を高めていきます。
新NISAでの積立設定
新NISAは、私と妻の2つの口座を使っています。それぞれの積立設定は次のとおりです。
| 口座 | ファンド | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|---|
| 私(楽天証券) | 楽天・オールカントリー | 毎月5万円 | 年120万円 |
| 楽天・S&P500 | 毎月5万円 | 年120万円 | |
| 妻(SBI証券) | eMAXIS Slim 全世界株式 | 毎月1万円 | 年50万円 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 毎月1万円 | 年50万円 | |
| SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし) | - | 毎日1,000円 |
私の口座は株式のインデックスファンドだけにして、ゴールドは妻の口座の成長投資枠で積み立てています。夫婦2つの口座を使うことで、非課税枠を株式とゴールドに無理なく割り振れます。
コア・サテライト戦略とは?新NISAとの相性がいい理由

コア・サテライト戦略は、資産を「守りながら育てる部分(コア)」と「積極的にリターンを狙う部分(サテライト)」に分けて運用する考え方です。資産全体の方向性をコアで安定させつつ、サテライトで上乗せのリターンを狙います。
コア:長く持ち続ける資産の中心
コアは、資産の大部分を占める「土台」です。値動きが比較的穏やかで、長期的に成長が期待できる資産を置きます。代表的なのは、全世界株式やS&P500などのインデックスファンドです。
コアは、相場がどう動いても売らずに持ち続けることが前提です。そのため、多少の暴落でも慌てずに持ち続けられる資産を選ぶことが大切です。
サテライト:リターンを狙う部分
サテライトは、コアの周りに置く「衛星」のような部分です。値動きが大きくても高いリターンが期待できる資産を、少なめの比率で持ちます。私の場合は、レバナス(NASDAQ100の2倍の値動きを目指すファンド)やFANG+がサテライトです。
サテライトは「減っても許容できるお金」で運用するのが鉄則です。私はレバナスを、三菱UFJ eスマート証券でFXの証拠金として活用する「レバナス代用FX」にも使っています。

新NISAはコアに使うのが合理的
新NISAは、利益が非課税になり、非課税で持てる期間にも期限がありません。長く持つほど非課税の恩恵が大きくなるので、何十年も持ち続けるコアの資産を新NISAに置くのが合理的です。
反対に、値動きが大きいサテライトは、損失が出たときに他の利益と相殺(損益通算)できる特定口座に置いています。NISA口座の損失は、他の口座の利益と損益通算できないためです。
コアの中心に全世界株式を置く理由

これから新NISAを始める方には、コアの中心に全世界株式を置くことをおすすめします。私自身は米国株式も多く持っていますが、それでも全世界株式をすすめる理由は2つあります。
1本で世界中の株式に分散できる
全世界株式のインデックスファンドは、1本で先進国から新興国まで、世界中の数千社の株式に分散投資できます。特定の国や企業が不調でも、世界全体の成長についていけるのが強みです。
時代に合わせて投資先が自動で入れ替わる
全世界株式のインデックスファンドは、各国の株式の時価総額に応じて投資割合が決まります。今は米国の比率が高いですが、将来ほかの国が成長すれば、その国の比率が自動的に高まります。
「どの国が伸びるか」を自分で予想しなくていいのが、全世界株式の最大のメリットです。ほったらかし投資と相性がいいのは、この点です。
オルカンとS&P500のどちらを選ぶか迷っている方は、両方を持つのもひとつの方法です。私は「世界分散+米国集中」のハイブリッドで両方を積み立てています。
全世界株式にゴールドを組み合わせる理由

全世界株式は世界中の株式に分散していますが、あくまで「株式」という1つの資産です。世界的な株安が起きれば、全世界株式もまとめて下がります。ゴールドを組み合わせるのは、株式とは違う動きをする資産を持って、資産全体の値下がりを和らげるためです。
ゴールドと株式は値動きの関連が小さい
2つの資産の値動きがどれだけ似ているかは「相関係数」で表されます。1に近いほど同じ方向に動き、0に近いほど関連が小さいことを意味します。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの資料によると、ゴールドとS&P500の月次の相関係数は、約50年間で0.03です。ゴールドと株式の値動きには、長期的にほとんど関連がないということです。関連が小さい資産を組み合わせるほど、資産全体の値動きは安定しやすくなります。
株式が大きく下がる局面で役立ちやすい
ワールド・ゴールド・カウンシルのレポートでは、株式などのリスク資産が大きく下落するほど、ゴールドは株式と逆の動きをする傾向が強まるとしています。2008〜2009年の金融危機では、多くの資産が株式と一緒に売られた一方で、ゴールドには資金が流入してプラスのリターンを上げたと説明しています。
もちろん、株安の局面で必ずゴールドが上がるわけではありません。それでも、株式だけを持つより、暴落時のダメージを小さくできる可能性が高まります。暴落時に資産の減り方が緩やかになれば、慌てて売ってしまう失敗も防げます。
長期的にも資産を増やしてきた実績がある
ゴールドは配当や利息を生みませんが、長期的には価格が上がってきました。ワールド・ゴールド・カウンシルによると、1971年から2018年末までの円建ての金価格は、年平均8.2%上昇しています。
守りの資産でありながら、長い目で見ればリターンも期待できる点が、ゴールドをコアと組み合わせる大きな理由です。
ゴールドを持つ理由や、金に投資する方法は、次の記事でも詳しく解説しています。

ゴールドは何%組み合わせればいいのか

ゴールドは守りの資産なので、多く持てばいいわけではありません。株式のように企業の成長による利益は期待できないため、比率が高すぎると資産全体の伸びが鈍くなります。
目安は資産全体の10%前後
ワールド・ゴールド・カウンシルは、日本円ベースの分散投資ポートフォリオでは、ゴールドを2.5〜12.5%の範囲で組み入れるとパフォーマンスが向上したと分析しています。また、リスクが高いポートフォリオほど、この範囲の中で多めにゴールドを組み入れる必要があるとしています。
私の資産は、株式のインデックスファンドに加えて、レバナス、FX、仮想通貨など値動きの大きい資産も多く含んでいます。そのため、範囲の中でも多めの10%を目標にしています。
一度に買わず、積立で少しずつ比率を上げる
目標の比率まで一度に買うと、そのときの価格が高ければ高値づかみになってしまいます。私は毎日1,000円ずつ積み立てて、時間をかけて比率を上げています。
これから始める方も、まずは資産の数%から始めて、少しずつ比率を上げていくのがおすすめです。
新NISAでの枠の割り振り方

全世界株式とゴールドを新NISAで組み合わせるときは、枠の使い方に注意が必要です。ゴールドの投資信託は、つみたて投資枠では買えず、成長投資枠でしか買えないからです。
つみたて投資枠:全世界株式などのインデックスファンド
つみたて投資枠で買えるのは、金融庁が定めた基準を満たす投資信託だけです。全世界株式やS&P500のインデックスファンドは対象なので、つみたて投資枠はコアの株式に使います。つみたて投資枠の年間投資枠は120万円です。
成長投資枠:株式の上乗せとゴールド
成長投資枠は、年間240万円まで投資できます。ゴールドの投資信託は、この成長投資枠で購入します。成長投資枠でも毎日・毎月の積立設定ができるので、ほったらかしで積み立てられます。
私は、自分の成長投資枠は全世界株式とS&P500の上乗せに使い、妻の成長投資枠の一部をゴールドに使っています。1人で運用する場合は、成長投資枠の一部をゴールドの積立に回すとよいでしょう。
なお、NISAは令和8年度税制改正で、つみたて投資枠の対象となる指数の追加などの見直しが予定されています。購入前に、金融庁や証券会社の最新の情報を確認してください。
リバランスのやり方|NISAでは「売らずに調整」が基本

積立を続けていると、値上がりした資産の比率が高くなり、最初に決めた配分からずれていきます。この配分を元に戻すことを「リバランス」といいます。
積立額を変えて比率を戻す
新NISAでリバランスをするなら、売却ではなく、積立額の調整で比率を戻すのがおすすめです。たとえば、株式が値上がりしてゴールドの比率が下がったら、ゴールドの積立額を増やします。売らずに済むので、非課税で育ってきた資産をそのまま持ち続けられます。
NISAで売却すると枠が戻るのは翌年以降
NISA口座で売却すると、その分の非課税枠(購入時の金額分)は翌年以降に復活します。ただし、売却した年のうちには再利用できません。頻繁に売り買いしてリバランスすると、その年の非課税枠を効率よく使えなくなるので注意してください。
見直しは年1回程度で十分
配分を毎月チェックする必要はありません。年に1回程度、配分が目標から大きくずれていないかを確認するくらいで十分です。ほったらかしにできる仕組みを作ることが、長く続けるコツです。
全世界株式とゴールドを組み合わせるときの注意点

全世界株式とゴールドの組み合わせにも、注意すべき点があります。始める前に確認しておきましょう。
株式とゴールドが同時に下がることもある
ゴールドと株式の値動きの関連は小さいものの、どちらも同時に下がる局面はあります。たとえば、急な株安で現金を確保するために、ゴールドも一緒に売られることがあります。ゴールドは「必ず資産を守ってくれる保険」ではないことを理解しておきましょう。
ゴールドを増やしすぎるとリターンが下がる
ゴールドは配当や利息を生まないため、比率を上げすぎると、株式の成長の恩恵を受けにくくなります。若い方や投資期間が長い方は、株式の比率を高めにして、ゴールドは少なめにするのも合理的な選択です。
為替の影響を受ける
全世界株式もゴールド(為替ヘッジなし)も、外貨建ての資産です。円高が進むと、円での評価額は下がります。円安への備えにはなりますが、為替によって評価額が上下することは覚えておきましょう。
まとめ:全世界株式×ゴールドで「崩れにくいコア」をつくろう

全世界株式はコアの中心として優れた資産ですが、株式だけでは世界的な株安に弱いという弱点があります。ゴールドを組み合わせることで、資産全体の値動きを和らげ、長く持ち続けやすいコアをつくれます。最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 私は新NISAとiDeCoで株式のインデックスファンドをコアにし、ゴールドを守りとして組み合わせている
- リターンを狙うレバナスやFANG+は、特定口座のサテライトに分けている
- 全世界株式は1本で世界中に分散でき、投資先も自動で入れ替わる
- ゴールドと株式の値動きの関連は小さく、暴落時のダメージを和らげやすい
- ゴールドの比率は資産全体の10%前後が目安。積立で少しずつ比率を上げる
- ゴールドは成長投資枠で買い、リバランスは積立額の調整で行う
新NISAで全世界株式とゴールドを組み合わせるなら、どちらも少額から自動で積み立てられます。私がメインで使っている楽天証券では全世界株式を、ゴールドを積み立てているSBI証券ではSBI・iシェアーズ・ゴールドファンドを、それぞれ新NISAで積み立てられます。
株式とゴールド以外も含めた、私の資産全体のポートフォリオは次の記事で公開しています。

株式とゴールドに加えて、仮想通貨も組み合わせた分散投資の考え方は、こちらの記事で解説しています。

将来、新NISAの資産をどう取り崩すかについては、NISAの取り崩し・出口戦略の記事をご覧ください。そのほかのNISA・投資信託の記事は、NISA・投資信託・ゴールドのカテゴリーにまとめています。

