「パソコンを動かしておくだけでビットコインがもらえる」――そんなイメージから、仮想通貨のマイニング(採掘)に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。
実際、マイニングはビットコインを買わずに手に入れられる数少ない方法のひとつで、ブロックチェーンを支える重要な仕組みでもあります。一方で、2024年4月の半減期で報酬が3.125BTCに減り、世界中の巨大企業がしのぎを削る今、「何も考えずに始めると電気代で赤字になる」のも事実です。
そこで本記事では、投資歴15年・約5,000万円をほったらかし投資で運用している私、為替コヤジが、マイニングの仕組みから個人で始める具体的な手順、最新データを使った収益シミュレーション、税金やリスクまで、2026年最新情報でわかりやすく解説します。「自分でもできそうか」「やるならどの方法か」がこの記事1本で判断できるようになっています。
- 仮想通貨マイニングの仕組みと「プルーフ・オブ・ワーク」の基本
- 2026年のビットコインマイニング業界の最新動向(ハッシュレート・主要プール・半減期)
- 個人がマイニングする4つの方法と、それぞれの向き不向き
- ASICマイナーでビットコインを掘る具体的な手順(7ステップ)
- 日本の電気代で本当に稼げるのか?最新データによる収益シミュレーション
- クラウドマイニング詐欺の見分け方とマイニングの税金
- マイニング以外で「ほったらかし」でビットコインを増やす方法
仮想通貨のマイニングとは?仕組みをわかりやすく解説

まずは「マイニングとは何をしているのか」を押さえておきましょう。仕組みを理解しておくと、なぜ個人が稼ぎにくくなっているのか、どうすれば勝ち目があるのかが自然と見えてきます。ここではビットコインを例に、マイニングの役割と報酬の仕組みを解説します。
マイニングは「取引の承認作業」と「新規発行」を兼ねた仕組み
ビットコインには銀行のような中央管理者がいません。その代わりに、世界中の参加者(マイナー)が取引データをまとめた「ブロック」を検証し、ブロックチェーンという台帳に追記していきます。この作業がマイニングです。
ブロックを追加する権利を得るには、ブロックの中身と「ナンス」と呼ばれる数値を組み合わせてハッシュ計算(SHA-256)を行い、ネットワークが定めた目標値より小さい答えを見つける必要があります。答えは総当たりで探すしかないため、計算量が多いほど有利になります。
最初に答えを見つけたマイナーは新しいブロックを追加でき、その報酬として新規発行のビットコインと、ブロック内の取引手数料を受け取れます。金鉱から金を掘り当てる作業に似ていることから「マイニング(採掘)」と呼ばれています。
仮想通貨そのものの仕組みについては、以下の記事で基礎から解説しています。

プルーフ・オブ・ワーク(PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の違い
マイニングのように「計算作業(仕事量)」でブロック追加の権利を決める方式をプルーフ・オブ・ワーク(PoW)といいます。一方、「保有・預け入れている通貨の量」に応じて権利を決める方式がプルーフ・オブ・ステーク(PoS)で、こちらは「ステーキング」と呼ばれます。
| 項目 | プルーフ・オブ・ワーク(PoW) | プルーフ・オブ・ステーク(PoS) |
|---|---|---|
| 報酬を得る方法 | マイニング(計算) | ステーキング(保有・預け入れ) |
| 必要なもの | マイニング機器・電力 | 対象の仮想通貨 |
| 主なコスト | 機器代・電気代・設置環境 | 価格変動リスク・ロック期間 |
| 代表的な通貨 | ビットコイン(BTC)、ライトコイン(LTC)、モネロ(XMR)など | イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)など |
なお、イーサリアムは2022年9月の「The Merge(マージ)」でPoWからPoSへ移行したため、現在はイーサリアムをマイニングすることはできません。古い記事や動画で「グラボでイーサリアムを掘る」と紹介されているものは情報が古いので注意してください。
ビットコインの半減期と発行上限
ビットコインの発行上限は2,100万枚と決められており、21万ブロックごと(約4年ごと)にマイニング報酬が半分になります。これが「半減期」です。ブロックはおよそ10分に1つ生成され、約2週間(2,016ブロック)ごとに難易度が自動調整されるため、参加者が増えても発行ペースは一定に保たれます。
| 時期 | ブロック高 | 1ブロックあたりの報酬 |
|---|---|---|
| 2009年1月(誕生) | 0 | 50 BTC |
| 2012年11月(1回目) | 210,000 | 25 BTC |
| 2016年7月(2回目) | 420,000 | 12.5 BTC |
| 2020年5月(3回目) | 630,000 | 6.25 BTC |
| 2024年4月(4回目) | 840,000 | 3.125 BTC |
| 2028年ごろ(5回目・予定) | 1,050,000 | 1.5625 BTC |
すでに発行上限の約95%が採掘済みで、新規発行は2140年ごろに終わる計算です。報酬が減るたびにマイナーの採算は厳しくなるため、マイニングの収益性は「ビットコイン価格」と「半減期」に強く左右されると覚えておきましょう。
2026年のビットコインマイニング最新事情

マイニングを始める前に、業界の「今」を知っておくことはとても大切です。2017年ごろとは状況がまったく違い、現在は上場企業同士が電力コストを武器に競い合う産業になっています。ここでは、ハッシュレート、主要プール、日本企業の動向を最新データで整理します。
ハッシュレートは1ZH/s前後の巨大市場に
ハッシュレートとは、ネットワーク全体の計算能力のことです。ビットコインのハッシュレートは2025年秋に過去最高を更新し、1ZH/s(=1,000EH/s)を超える水準に到達しました。その後、2026年に入ってからは採算悪化やAI・データセンター事業への転換を背景に低下し、夏から秋にかけてはおおむね900EH/s〜1,000EH/s前後で推移しています。
マイナーの収益性を測る指標「ハッシュプライス(1PH/sあたりの1日の収入)」は、2026年6月に過去最低水準まで落ち込み、9月末時点でも40ドル前後と、多くのマイナーにとって損益分岐点付近にとどまっています。さらに、取引手数料がマイナー収入全体に占める割合は1%を下回る状態が続いており、収入のほとんどを3.125BTCのブロック報酬に頼っているのが現状です。
中国から米国へ:主要マイニングプールのシェア
以前は電気代の安い中国のマイナーが世界シェアの大半を握っていましたが、2021年に中国政府がマイニングを禁止したことで勢力図は大きく変わりました。現在は米国が最大の拠点となっており、米国上場のマイニング企業だけで世界のハッシュレートの約4割を占めるとの分析もあります。
マイニングプール別のシェア(2026年初頭時点の推計)は以下のとおりです。
| 順位 | マイニングプール | ハッシュレートシェア | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | Foundry USA | 約30% | 米国拠点。機関投資家・大口マイナー中心 |
| 2位 | AntPool | 約18% | マイニング機器最大手Bitmain系 |
| 3位 | ViaBTC | 約13% | 個人でも登録しやすい大手プール |
| 4位 | F2Pool | 約10% | 最古参クラスのプール |
上位2プールだけで約半分、上位4プールで約7割を占めており、マイニングは「規模の経済」が強く働く世界であることがわかります。
日本企業のマイニング参入とその教訓
2017〜2018年の仮想通貨ブームでは、日本でもGMOインターネット(現GMOインターネットグループ)やDMM.com、SBIホールディングスなどが相次いでマイニング事業に参入し、大きな話題になりました。
しかし、2018年の価格急落と想定以上のハッシュレート上昇によって状況は一変します。GMOインターネットは2018年12月にマイニング関連で355億円の特別損失を計上し、マイニングマシンの開発・製造・販売事業の中止を決めました。DMM.comも同時期にマイニング事業から撤退しています。
大企業ですら苦戦したこの歴史は、マイニングは「価格」「難易度」「電気代」の3つを読み違えると簡単に赤字になるという教訓を残しています。個人で取り組む場合こそ、事前の収益シミュレーションが欠かせません。
個人でもマイニングで稼げる?4つの方法を比較

結論から言うと、個人でもマイニングに参加すること自体は可能です。ただし、方法によって必要な初期費用・手間・リスクがまったく異なります。ここでは個人が選べる4つの方法を比較し、それぞれどんな人に向いているかを解説します。
| 方法 | 初期費用 | 手間 | 収益性 | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|
| ASICマイナー+プール | 高い | 多い | 電気代次第 | 電気代・騒音・機器の陳腐化 |
| ホスティング(機器を海外施設に預ける) | 高い | 少なめ | 電気代が安ければ有望 | 業者の信頼性・契約条件 |
| CPU・GPUでアルトコインを掘る | 低〜中 | 中 | 低い | 電気代負け・パソコンの劣化 |
| クラウドマイニング | 少額から | 少ない | 業者次第 | 詐欺・倒産リスクが非常に高い |
方法1:ASICマイナーを買ってマイニングプールに参加する
ビットコインを本格的に掘るなら、ASIC(エーシック)と呼ばれるマイニング専用機が必須です。かつて人気だったAntminer S9は現在では効率が悪すぎて使い物にならず、2026年時点ではBitmain社の「Antminer S23」シリーズが最新世代となっています。空冷モデルのS23は318TH/s・消費電力約3,500W、水冷のS23 Hydは580TH/s・約5,510Wというスペックです。
個人がASIC1台で単独(ソロ)マイニングしても、ブロックを見つけられる確率は極めて低いため、通常はマイニングプールに参加して、提供した計算力に応じて報酬を分配してもらいます。
ただし、日本の一般家庭のコンセント(100V・15A)で使える電力は最大1,500W程度なので、最新ASICを自宅で動かすには200Vの電源工事が必要になるケースがほとんどです。加えて、業務用機器なので騒音と排熱も相当なもので、住宅街やマンションでの運用は現実的ではありません。
方法2:ホスティングサービスに機器を預ける
「機器は買うけれど、設置や電気代の問題は避けたい」という方向けなのがホスティングです。購入したASICを電気代の安い海外のマイニング施設に預け、施設側が電力供給・冷却・保守を行ってくれます。
電気代を大幅に抑えられるのが最大のメリットですが、運営会社が倒産したり、機器を返してもらえなかったりするトラブルのリスクもあります。契約前に運営実績、電気代単価、機器の所有権、解約条件をしっかり確認しましょう。
方法3:手持ちのパソコン(CPU・GPU)でアルトコインを掘る
手持ちのゲーミングPCなどで気軽に試せるのがCPU・GPUマイニングです。ビットコインはASICの独壇場なのでPCで掘っても勝ち目はありませんが、モネロ(XMR)のようにCPUでのマイニングを前提に設計された通貨もあります。
とはいえ、日本の電気代ではほとんど利益が出ないか、赤字になるのが一般的です。「仕組みを体験してみたい」という学習目的で割り切るのがよいでしょう。また、ネット上で配布されている非公式のマイニングソフトにはマルウェアが仕込まれている例もあるため、必ず公式配布元から入手してください。
方法4:クラウドマイニングは詐欺に要注意
クラウドマイニングとは、マイニング事業者に資金を出し、その計算力に応じて報酬を受け取るサービスです。機器も電気代も不要で手軽に見えますが、クラウドマイニングは詐欺が非常に多い分野です。
実際に、かつて日本人ユーザーも多かったクラウドマイニングサービス「HashFlare」は2018年に突然運営を停止し、その後、米司法省によって約5億7,700万ドルを集めたポンジ・スキーム(新規顧客の資金で配当を払う詐欺)だったと認定されました。同社は宣伝していた採掘能力の約1%しか実際には稼働させておらず、利用者の管理画面には架空の収益が表示されていたとされています。
私の知る限り、国内の大手暗号資産交換業者でクラウドマイニングを提供している例はほとんどありません。SNSやマッチングアプリで「月利◯%確定」「紹介すればボーナス」といった勧誘を受けた場合は、まず詐欺を疑ってください。
仮想通貨投資のリスク全般については、以下の記事も参考にしてください。

ビットコインマイニングのやり方【7ステップ】

ここからは、最も一般的な「ASICマイナー+マイニングプール」でビットコインを掘る場合の具体的な手順を紹介します。機種やプールによって細かな画面は異なりますが、全体の流れは共通です。いきなり機器を買うのではなく、ステップ1〜2の検討にいちばん時間をかけるのが失敗しないコツです。
ステップ1:収益シミュレーションをする
まずはマイニング収益計算サイト(Hashrate Index、NiceHash、WhatToMineなど)を使い、検討している機種で1日にどれくらいの収入が見込めるかを試算します。入力するのは主に次の項目です。
- 機種のハッシュレート(TH/s)
- 消費電力(W)
- 電気代単価(円/kWh)
- プール手数料(%)
ここで「電気代を引いて黒字になるか」「機器代を何か月で回収できるか」を必ず確認しましょう。難易度は上昇しやすく、ビットコイン価格も変動するため、現在の数字より厳しめの条件でも黒字になるかを見るのがポイントです。
ステップ2:マイニング機器と設置環境を用意する
シミュレーションで採算が合いそうなら、機器と設置場所を準備します。ASICは正規代理店や実績のある販売店から購入しましょう。フリマサイトの格安中古品は、故障品や採掘で酷使された機器である可能性があります。
設置環境では、次の点をチェックします。
- 200V電源と専用回路(電気工事士による工事が必要)
- 排熱対策(換気・空調)
- 騒音対策(防音ボックス、設置場所)
- 有線LANでのインターネット接続
- 電力会社の契約容量(アンペア数・契約電力)の見直し
ステップ3:報酬を受け取るウォレットを用意する
マイニング報酬を受け取るためのビットコインアドレスを準備します。国内の暗号資産交換業者の入金用アドレスを使うか、自分で秘密鍵を管理するハードウェアウォレットを使うのが一般的です。売却して日本円に換える予定があるなら、取引所のアドレスを指定しておくと手間が省けます(入金に対応しているか、事前に必ず確認してください)。
ウォレットの種類や選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。

ステップ4:マイニングプールを選んでアカウントを作る
次に参加するマイニングプールを選びます。個人でも登録しやすい大手としては、ViaBTC、F2Pool、AntPool、Braiins Poolなどがあります。比較のポイントは以下のとおりです。
- 報酬の分配方式:FPPS(取引手数料分も含めて安定的に支払う)、PPLNS(実際にブロックを見つけたときに分配)など
- 手数料:一般に数%程度
- 最低支払額:残高がいくら貯まったら出金されるか
- 運営実績と信頼性
アカウントを作成したら、2段階認証を必ず設定し、管理画面で「ワーカー(マシン)名」と報酬の受け取りアドレスを登録します。

ステップ5:マシンを接続してプール情報を設定する
ASICの電源と有線LANをつなぎ、同じネットワーク内のパソコンからブラウザでマシンのIPアドレスにアクセスすると管理画面が開きます。管理画面のプール設定欄に、プールが案内している以下の情報を入力して保存します。
- プールのURL(「stratum+tcp://〜」で始まるアドレス)
- ワーカー名(「アカウント名.ワーカー名」の形式が一般的)
- パスワード(多くのプールでは任意の文字列でOK)
あわせて、管理画面の初期パスワードは必ず変更しておきましょう。初期設定のままだと、第三者に設定を書き換えられるおそれがあります。
ステップ6:稼働状況を監視・メンテナンスする
設定が終わると、数分でプールの管理画面に自分のハッシュレートが表示されるようになります。プールのスマホアプリなどを使えば、外出先からでも稼働状況を確認できます。
ASICは24時間365日フル稼働させる機器なので、ファンの故障やホコリによる冷却不足、チップの劣化などが起こります。ハッシュレートの急低下や温度上昇のアラートを設定し、定期的に清掃・点検を行いましょう。
ステップ7:報酬を受け取り、記録を残す
プールの最低支払額に達すると、登録したアドレスにビットコインが送られてきます。ここで大切なのが記録です。マイニング報酬は受け取った時点の時価で所得として扱われるため、受取日時・数量・その時点の価格を必ず記録しておきましょう。電気代の明細や機器の購入領収書も経費計上に必要になります。
確定申告の計算が不安な方は、損益計算ツールを使うとグッと楽になります。

日本の電気代で稼げる?最新データで収益シミュレーション

「結局、日本で個人がマイニングしたら儲かるの?」という疑問に、2026年9月末時点のデータを使って答えてみます。前提条件を明示したうえで、電気代の違いによって収益がどう変わるのかを見ていきましょう。
シミュレーションの前提条件
最新世代の空冷ASIC「Antminer S23(318TH/s・消費電力約3,498W)」を1台、24時間稼働させた場合で試算します。
- ハッシュプライス:1PH/sあたり1日40ドル(2026年9月末の水準)
- 為替レート:1ドル=150円(試算用の仮定)
- 1日の消費電力量:3.498kW × 24時間 ≒ 84kWh
- プール手数料・機器代・電気工事費・故障リスクは含めない
この条件だと、1日の売上は0.318PH/s × 40ドル ≒ 12.7ドル、約1,900円になります。
電気代単価別の1日・1か月の収支
| 電気代単価 | 想定ケース | 1日の電気代 | 1日の収支 | 30日の収支 |
|---|---|---|---|---|
| 31円/kWh | 日本の家庭向け電気代の目安 | 約2,600円 | 約−690円 | 約−2万1,000円 |
| 約22.7円/kWh | 損益分岐点 | 約1,900円 | ±0円 | ±0円 |
| 15円/kWh | 安い電力契約・自家発電など | 約1,260円 | 約+650円 | 約+1万9,000円 |
| 8円/kWh | 海外ホスティング施設の水準 | 約670円 | 約+1,240円 | 約+3万7,000円 |
ご覧のとおり、日本の一般的な家庭用電気代(31円/kWh前後)では、最新機種を使っても電気代だけで赤字になる計算です。しかもこの試算には機器代が入っていないため、機器代の回収まで考えると、黒字化にはさらに安い電力が必要になります。
逆に言えば、電力単価を大きく下げられるなら勝ち目が出てきます。太陽光発電の余剰電力を活用する、海外の安価なホスティングを利用するといった工夫が、個人マイニングの成否を分けるポイントです。
「宝くじ」感覚のソロマイニングという楽しみ方
最近は、Bitaxe(ビットアックス)のような消費電力の小さい小型マイニング機器で、あえて単独(ソロ)でブロックを狙う人もいます。ブロックを見つければ3.125BTC+手数料をまるごと受け取れるため、「宝くじ」感覚で楽しむスタイルです。
ただし、確率はまさに宝くじ並みです。1TH/sの機器でネットワーク全体が1,000EH/sの場合、計算上はブロックを見つけるまでの期待値が約1万9,000年に1回。実際にごく小規模なソロマイナーがブロックを掘り当てたニュースもまれにありますが、収益目的ではなく、ビットコインを支える体験や趣味として楽しむのが正解です。
マイニングで得た仮想通貨の税金

マイニングで稼いだら、忘れてはいけないのが税金です。仮想通貨の税制は2026年に大きな改正が決まりましたが、マイニング報酬の扱いについては注意すべき点があります。ここでは現行ルールと今後の変更点を整理します。
マイニング報酬は「受け取った時点の時価」で課税
国税庁の見解では、マイニングで仮想通貨を取得した場合、取得した時点の時価が所得になります。一般的な会社員の副業なら「雑所得」、事業として継続的に行っている場合は「事業所得」に区分される可能性があります。マイニング機器の減価償却費や電気代などは、必要経費として差し引くことができます。
また、受け取ったビットコインを後で売却したときは、受取時の時価を取得価額として、売却益にも別途課税されます。つまり、「掘ったとき」と「売ったとき」の2段階で課税される点を押さえておきましょう。
なお、給与所得者で給与以外の所得が年間20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。
2028年からの分離課税20%はマイニング報酬には適用されない見込み
2026年7月15日、暗号資産を金融商品取引法の対象とする改正法が成立しました。これにより、施行の翌年(2028年1月の見込み)から、「特定暗号資産」を国内の登録業者を通じて売却した場合の利益に、株式と同じ申告分離課税(20.315%)が適用される予定です。
ただし、新税制の対象は「売却(譲渡)」による利益です。マイニング報酬を受け取った時点の所得については、引き続き総合課税(最大約55%)として扱われる見込みです。詳細は施行に向けて今後確定していくため、最新情報を確認し、必要に応じて税理士に相談してください。
マイニングのメリット・デメリット

ここまでの内容を踏まえて、個人がマイニングに取り組むメリットとデメリットを整理しておきます。始めるかどうか迷っている方は、この表で自分に合うかをチェックしてみてください。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 取引所で買わずにビットコインを手に入れられる | 日本の家庭用電気代では赤字になりやすい |
| 一度設定すれば、あとは自動で採掘が続く | 機器代が高額で、新機種の登場で陳腐化しやすい |
| ビットコインのネットワークを支える社会的意義がある | 騒音・排熱・電源工事など設置のハードルが高い |
| ビットコイン価格が上がれば収益も増える | 半減期や難易度上昇で収益が下がり続ける |
| 安い電力を確保できれば有望な副業になる | クラウドマイニングは詐欺が多い |
マイニングが向いている人・向いていない人
マイニングが向いているのは、太陽光発電などで安い電力を確保できる人、機械いじりやネットワーク設定が苦にならない人、ビットコインの技術に強い関心がある人です。
反対に、「手軽に」「確実に」ビットコインを増やしたい人、賃貸住宅に住んでいて電源工事や騒音対策が難しい人には、正直おすすめできません。そういう方は、次で紹介する方法のほうが効率よくビットコインを増やせます。
マイニングより手軽にビットコインを増やす方法

「マイニングの仕組みは面白いけれど、自分でやるのはハードルが高い」と感じた方も多いと思います。私、為替コヤジも、自宅でマイニングマシンを回すより、ほったらかしで続けられる方法で仮想通貨を増やすことを重視しています。ここでは、マイニングの代わりになる現実的な選択肢を紹介します。
積立でコツコツ買う
マイニングは「電気代を払ってビットコインを手に入れる」行為です。であれば、その電気代分を毎月ビットコインの積立に回すのも立派な戦略です。積立なら機器の陳腐化も騒音もなく、価格変動リスクも時間分散で抑えられます。

ステーキング・レンディングで「持っているだけ」で増やす
イーサリアムなどPoSの通貨なら、ステーキングで報酬を受け取れます。国内取引所ならSBI VCトレードやGMOコインで、申し込みの手間なくステーキングできる銘柄があります。


また、ビットコインそのものを増やしたいなら、保有しているビットコインを貸し出して利息を受け取る「仮想通貨レンディング」もおすすめです。私も実際にBitLendingやPBRレンディングにビットコインなどを預けて運用しています。

自動売買で値動きを利益に変える
ボラティリティの大きいビットコインは自動売買とも相性がよい資産です。積立と自動売買を組み合わせたハイブリッド投資も実践しているので、興味のある方はチェックしてみてください。

そのほか、元手ゼロで仮想通貨をもらえる方法や、ビットコインの稼ぎ方を一覧で比較したい方は、以下の記事もあわせてどうぞ。


仮想通貨マイニングに関するよくある質問

最後に、マイニングについて読者の方からよくいただく質問にまとめてお答えします。始める前の最終チェックとしてご活用ください。
スマホでマイニングはできますか?
スマホの計算能力ではビットコインのマイニングは現実的ではありません。「スマホでマイニング」をうたうアプリの多くは、実際には広告視聴やポイント配布の仕組みで、本来のマイニングとは別物です。中には個人情報や仮想通貨をだまし取る詐欺アプリもあるため、安易にインストールしないようにしましょう。
マイニングは日本で違法ですか?
自分の機器と電力を使ってマイニングすること自体は、日本で違法ではありません。ただし、他人のパソコンに無断でマイニングプログラムを仕込む行為(クリプトジャッキング)は犯罪にあたる可能性があります。また、勤務先のパソコンや電力を使うのは当然NGです。
次の半減期はいつですか?
次の半減期はブロック高1,050,000に到達したタイミングで、2028年ごろと見込まれています。報酬は3.125BTCから1.5625BTCに減るため、マイニングを長期で考えている方は、半減期後もビットコイン価格の上昇なしで採算が取れるかを確認しておくことが大切です。
初心者は何から始めればいいですか?
まずは国内の暗号資産交換業者で口座を開設し、少額のビットコインを積み立てるところから始めるのがおすすめです。仮想通貨に慣れてきて、安い電力が確保できる見込みが立ったら、マイニングを検討しても遅くはありません。投資全体のバランスについては、以下の記事も参考にしてください。

まとめ:マイニングは「電気代」を制する人が勝つ

仮想通貨のマイニングは、ブロックチェーンを支える仕組みそのものであり、誰でも参加できる開かれた世界です。一方で、2026年現在は巨大企業が競い合う産業となっており、個人が稼ぐにはしっかりとした戦略が必要です。最後に、本記事のポイントを振り返っておきましょう。
- マイニングは計算競争で取引を承認し、報酬として新規発行のビットコインを受け取る仕組み
- 2024年4月の半減期で報酬は3.125BTCに。次の半減期は2028年ごろの見込み
- 個人で本格的に掘るならASICマイナー+マイニングプールが基本
- 日本の家庭用電気代では最新機種でも赤字になりやすく、安い電力の確保が成否のカギ
- クラウドマイニングは詐欺が多いので要注意
- マイニング報酬は受取時の時価で課税。2028年からの分離課税の対象外となる見込み
マイニングに挑戦するなら、まずは収益シミュレーションから。そして「自分には難しそう」と感じた方は、積立やレンディングといったほったらかしでビットコインを増やす方法から始めてみてください。自分に合った方法で、無理なく仮想通貨と付き合っていきましょう。



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