トラリピの口座状況の一番上に維持率○○%と表示されているので維持率を気にする人は多いと思います。
維持率は最低でも500%は維持したいという人もいれば1000%はないと危険という人もいます。
それでは維持率はどれくらいあればいいのでしょうか?
維持率とは?
まずは維持率の計算式を確認しましょう。
- 維持率 = 時価残高 ÷ 証拠金必要額 × 100
- 証拠金必要額 = 取得価格 × 取引金額 × 証拠金率
例えば100円の時に5万通貨購入した場合の証拠金必要額は20万円となります。
200,000円 = 100円 × 50,000通貨 × 4%
資金(時価残高)が100万円の場合の維持率は500%となります。
500% = 1,000,000円 ÷ 200,000円 × 100
維持率は何パーセントあれば大丈夫?
それでは維持率は何パーセント維持できればいいいのでしょうか?
実は維持率は未成立の注文を考慮していない数字なのでトラリピを稼働してからどれくらい経っているかでその意味合いは大きく異なるのです。
つまり長年トラリピを運用していて未成立の注文がほとんどない人とトラリピを始めたばかりで未成立の注文が大量にある人の維持率は比較のしようがないのです。
具体例をみてみましょう。
資金100万円で1円下がるたびに5万通貨ずつ買う場合の維持率は以下のように変化します。
まず証拠金は100円 × 50,000通貨 × 4%なので20万円となります。維持率は100万円 ÷ 20万円 × 100なので500%となります。
その後97円まで下がるとどうなるでしょうか?
まず証拠金は以下の計算により約80万円となります。
- 20万円 = 100円 × 50,000通貨 × 4%
- 19.8万円 = 99円 × 50,000通貨 × 4%
- 19.6万円 = 98円 × 50,000通貨 × 4%
- 19.4万円 = 97円 × 50,000通貨 × 4%
1円下がる度に評価損が5万円発生しますので100円で購入した分の評価損は15万円、99円の分は10万円、98円の分は5万円なので合わせて30万円の評価損が発生しています。
そのため、維持率は(100万円 -30万円) ÷ 80万円 × 100なので87.5%となります。
つまりトラリピを始めたばかりでたくさんの未成立の注文が残っている状態で維持率が500%あっても3円下がっただけで維持率は87%とロスカット水準にまで下がってしまいます。
大量の未成立注文が残っている状態での維持率500%とほとんどの注文が成立した状態での維持率500%は全く意味合いが異なるのです。
したがって未成立の注文が多く残っている状態で維持率を語ることは全く意味がありません。
ちなみにトラリピのシミュレーション機能の「ポジションを持ってみる」を使うと全ての注文が成立した状態での維持率を知ることができます。
目安でしかありませんが、全ての注文が成立した状態で維持率が1000%くらいあるとかなり安心です。
ちなみに「2500 ÷ 維持率」でおおよそのレバレッジが分かります。維持率1000%の場合はレバレッジ2.5倍となります。
大事なのはロスカットレートを把握すること
リスク度合いを計るには維持率は不十分なので必ずロスカットレートを把握しておくことが重要です。
ロスカットレートは「現在価格 - (入金額 - 証拠金必要額 + 評価損益) ÷ 数量」で求めることができます。
ロスカットレートはらくトラ運用試算表で簡単に計算できますが、複数の通貨ペアで運用している場合にはいちいち入力するのが面倒です。
そこで為替コヤジはExcelを使って一目で各通貨ペアのロスカットレートを把握できる表を作成して管理しています。
現在価格と数量(k)を入力すると証拠金必要額や評価損益が自動計算され、入金額を入力すするとロスカットレートが自動計算されるようになっています。
この表なら全ての未成立注文が成立した段階での維持率を確認することもできます。
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